昆虫観察会の報告


日時
2016年8月21日(日) 午前9時00分から11時50分
集合場所 (旧)奈良上自治会館前 天気・晴れ
参加人員 約30名
講師 松香光夫先生(玉川大学元教授)

司会・進行 山田美那子さん(奈良川源流域を守る会)
フィールド 里山公園、はらっぱ広場
配付資料 昆虫網各目の系統と形態の概念図

観察会スタート 9:30

雨天のため予定を1日順延しての開催となりました。
本日は少し風のある晴天となりました。
進行役の山田さんから本日の日程説明がありました。
はらっぱ広場が草刈り作業中だったため、里山公園で昆虫観察をします。



フィールドでの活動 9:45-

里山公園に移動して昆虫観察しました。

バッタ、セミ、トンボ などの他、湧き水の流れ付近にはサワガニがおり、子供達に歓声が上がりました。

10:50頃、草刈りの終わったはらっぱ広場に移動。里山公園とは違う種類のトンボやチョウが観察できました。


先生のお話を聞きましょう 11:15-

エアコンの効いた奈良地域ケアプラザに移動しました。

__松香先生のお話
私の専門はミツバチです。ミツバチは世界中で2種類しかおりませんが、昆虫は80万種類ぐらいいます。
全生物種の半分は昆虫だと言われています。

私は、実は1週間前までモンゴルに行っておりました。
日本の養蜂技術は非常に高く、数年前からモンゴルに技術指導に行っている仲間がいたのです。
従来の倍ぐらい蜂蜜が採れるようになったということで、様子を見て来ました。
日本では研究者間の交流がさかんで、2年に1回、大きな大会を行っています。
今日私が着ているTシャツも12年程前の大会で作ったものです。
ミツバチの顔のイラストが描いてありますが、背中には「busy as a bee!」と書いてあります。
ミツバチみたいに働け、という意味ですね。

今日は、里山公園とはらっぱ広場で観察をしました。
水辺のある林の中と、草っぱらという、違う環境を見たことになります。
環境が違うと昆虫の種類も違ってきます。今日はいろいろな虫が見られたのではないかと思います。


●参加者から松香先生に質問

先日テレビでヤゴからトンボが誕生する映像を見て感動しました。サナギから成虫になることを変態というそうですが、昆虫はどれも変態するのですか?
タマゴから幼虫が生まれ、次にサナギになり成虫となる、という過程で成長することを「完全変態」といいます。
完全変態する虫の種類は、本日の配付資料でいうと(3)から上に分類されたもので、昆虫全体としては比較的進化の新しいグループです。
(3)より下のグループはサナギにならないで成虫になるのですが、これを「不完全変態」といいます。

でかいバッタをつかまえました。なんて名前ですか?
うーん、ショウリョウバッタではないな。鼻が短かい。
どこで採ったの? はらっぱですか。おそらくカヤキリだと思います。

ミミズの寿命はどのぐらいですか?
ミミズかぁ、ミミズのことはわからないなぁ。ミミズは昆虫ではないので。
昆虫の特徴は、身体が頭・胸・腹の3つにわかれていること、脚が6本あることです。
ミミズには脚がありませんが、脚が沢山あるムカデとか蜘蛛も虫ですが、昆虫ではありません。

__鎮目共同代表のお話
みなさん、本日は暑い中お疲れ様でした。
サワガニがいた小さな沢、あれは奈良川の源流のひとつです。
みなさんが今日観察をしたこの辺の地域には、山があり川があり田畑があります。
昔ながらの典型的な日本の里山だということで、環境省から日本の重要な里地里山 500選にも選ばれています。
自然を破壊することは容易ですが、復元は極めて困難です。
源流域を守る会は、未だ残っているこの貴重な自然を保全する活動を行っております。

__山田共同代表のお話
里山保全に興味がある方、やりたいことがある方はご連絡下さい。
いっしょに活動しましょう。

11:50ごろ、観察会を終了いたしました。

(了)