昆虫観察会の報告


日時
2014年8月2日(土) 午前9時00分から11時10分
集合場所 奈良上自治会館
参加人員 約30名
講師 松香光夫先生(玉川大学元教授)

干場英弘先生(玉川大学元教授)

司会・進行 鎮目会長(奈良川源流域を守る会)
フィールド はらっぱ広場
配付資料 昆虫網各目の系統と形態の概念図(数参照)



観察会スタート

昨日の豪雨の影響が心配されましたが、今日は快晴、しかしとても暑いです。
9時5分頃から、奈良上自治会館屋内にて観察会スタート。

はじめに、奈良川源流域を守る会 鎮目会長から挨拶。

続いて松香先生から、自己紹介。
ミツバチ、蜂蜜、ロイヤルゼリーの専門家です。
玉川大学で教授をしていましたが引退し、今は蜜蜂を飼っています。蜂蜜は、松香ハニーの名前で駅前のショップで売られています。
いっしょに来られた干場先生もミツバチの専門家です。

上記配付資料を使って昆虫の分類(目)に関するお話がありました。
目というのは仲間という意味です。昆虫は100万種類ぐらいいるそうです。

昆虫の特徴は、翅が4枚、脚が6本あり、身体が頭・胸・腹の3つに分かれていることです。
クモは8本足で昆虫ではありません。ムカデやダンゴムシも昆虫ではありません。多足類というグループです。
翅がない虫もいるではないか、という疑問がありますね。
例えばハエは見た目は翅が2枚しかありません。ノミやアリには翅がありません。
これらは、昔は翅があったのに進化(退化)して翅がなくなってしまったと考えられています。


フィールドでの活動

9:30から会館前の奈良町はらっぱに出掛けて昆虫観察しました。
今日はちょっと暑いですね。喉が乾いたり、暑くなったら会館へ戻ってください、との注意がありました

大人も子供も、しばし虫取りに勤しみました。
わからない虫がいたら、先生に聞いて下さいね。


今日の成果と質疑応答

10:10頃に自治会館に戻り、先生といっしょに今日の成果などのお話をしました。


__鎮目会長のお話
奈良川源流域を守る会の鎮目会長から、会の活動に関する紹介がありました。
モニタリングサイト1000里地里山調査に参加していること、この近くでヘイケホタルが観察できること、などの話がありました。

この地域には残念ながらゲンジボタルはいません。
干場先生によると、幼虫の餌となるカワニナ貝が絶滅していないのであれば、簡単ではないがゲンジボタルの復活も可能だ、とのことです。

●参加者から松香先生、干場先生に質問

クマンバチの巣ってどんななのでしょう?
まぎらわしいのですが、クマンバチというと、クマバチを指す場合と、スズメバチを指す場合があるようです。
スズメバチの巣はご存じですよね。
クマバチの方ですが、アメリカではクマバチのことをカーペンタービー、つまり大工さんの蜂、と読んでいます。これは木を削って穴を空け巣を作るからなんですね。
日本にいるクマバチはキムネクマバチという種類です。キムネクマバチも木に穴を空け、花粉団子を持ち込んで卵を産みます。

オンブバッタがいましたが、どっちがオスでどっちがメスなんでしょうか?
メスの上にオスが乗っています。メスのが大きいです。

冬場にみつけたカマキリの卵ままだ孵らないのです。いつ孵るのでしょうか?
とっくに孵らないといけないはずで、おそらくその卵はもうダメになっているのでしょう。一旦寒さに当てて温度を下げてやらないとうまく孵らないのだと思います。

ミツバチはどのぐらい生きるのでしょうか?
ミツバチには、女王バチ、働きバチ、オスバチの3つの形態があります。女王バチと働きバチは同じ卵から生れてきますが、育ち方や役割が違いまして、寿命も大分違います。
女王バチは、長生きするものだと10年も生きますが、普通は2,3年です。
女王バチは卵を産むのが役割なのですが、卵が産めなくなってくると、働きバチによって交代させられてしまうのです。
女王バチというぐらいだから集団の支配者のようなイメージがありますが、実際は全然偉くないのです。役たたずになるとすぐにお役ご免にされてしまうのですよ。
働きバチの寿命は、働きづめの状態だと約1ヶ月ほどです。ただし、越冬時には冬場から春先まで、3-4ヶ月ぐらい生きています。

越冬しているときは働いていないので長生きできるんですね。。
: いや、たぶんそうではないと思いますよ。
越冬中の働きバチも、巣内を温めるという大変な仕事をしています。集団で翅をこまめにふるわせて胸の筋肉で熱を発っし続けます。(蜂球というそうです)
外気が氷点下の時でも、ミツバチの巣内温度は40度ぐらいあるのです。

1匹の働きバチはどのぐらいのミツを集めるのでしょうか?
1匹が一生かけて集める蜂蜜の量は1グラムぐらいといわれています。もう少し多い気もしますが。

中国産のハチミツの品質はやはりよくないのですか?
中国には養蜂に理想的な地域が沢山あります。採取できる蜂蜜も素晴しい一級品であると思います。
しかし、それを絞って製品化する技術力があまり高くなく、結果として出来上がってくるものがB級品になっていることが多いように思います。
(干場先生は現在モンゴルで養蜂技術の指導を行っているそうです)

農薬の問題についてはどうでしょう?
日本では蜜蜂を飼える場所がどんどんなくなりつつあります。
ゴルフ場では大量の殺虫剤を使います。ゴルフ場付近の空気には殺虫剤の成分が多く含まれていてここに蜜蜂を放つと巣に帰ってこれないのです。
特に最近多く使用されているネオニコチノイド系の殺虫剤は、人間への影響が少なく比較的安全と言われていますが、昆虫にとっては非常に強力な毒です。
ミツバチだけでなく多くの昆虫を殺します。昆虫がいなくなることによる環境への影響ははかりしれません。
ゴルフ場付近に住む一部の住民からは、ゴルフ場ができてからハエや蚊がいなくなってうれしい、という声も聞こえていますが、昆虫が住めなくなった環境がどれほど危ういものかを考えないといけないと思います。

11:10ごろ、観察会を終了いたしました。

今日観察した昆虫のスナップです

(了)