=「春の野鳥観察会」の報告=


1.日時=平成23年5月21日(土)午前8時から11時30分頃
2.集合場所=奈良上自治会館前
3.参加者数=約20名
4.講師=仲俣申喜男先生(現代音楽作曲家・日本野鳥の会)、小森谷さん(奈良川源流域を守る会)
5.天候=晴
6.主な観察地点=はらっぱ広場、土橋谷戸(田んぼ)、本山池、玉川大学体育館下、里山公園

----------------各ポイントで観察された鳥類---------------

◎はらっぱ広場

ムクドリ、ヒヨドリ、ハクセキレイ、ツバメ、オナガ、メジロ、キジバト、コジュケイ、

アオゲラ(ドラミング)、ハシボソガラス、コゲラ、セグロセキレイ、ガビチョウ、シジュウカラ、ウグイス

◎土橋谷戸(田んぼ)

ツバメ、カルガモ、セグロセキレイ、ウグイス、ムクドリ、ハシボソガラス

土橋谷戸ツバメカルガモ

◎本山池

アオサギ(立ち姿、飛翔)、ガビチョウ、メジロ、ヒヨドリ、カルガモ、カワセミの声アオサギ

◎体育館下

チョウゲンボウ4羽(オスメス2組)、アオサギ、カワウ
体育館チョウゲンボウ1チョウゲンボウ2

◎里山公園

エナガ10羽ぐらい、チョウゲンボウ、キジバト、ガビチョウ

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◎ 今日の観察会の解説 (奈良上自治会館に戻って)

〈ウグイスの声が変わってきたこと〉
今日聴いたのはホケキイヨと鳴いていました。個体差がかなりあることがわかりました。
〈鳥の住む所も変わってきたこと〉
ヒヨドリは町にも住むようになりました。カワセミも町に進出しています。
 市街化で、ヒヨドリ、チョウゲンボウ、ヤマガラなどを町で見るようになりました。町にも木の実が多くなりました。
〈少なくなった鳥のこと〉
ホオジロは以前たくさんいたのに、今はほとんど見ません。
 スズメも少なくなりました。瓦屋根が少なくなって巣作りの場所が減った為でしょうか?
 アブラコウモリも少なくなりました(参加者より)。板張りがなくなってひそむ所が無くなったからでしょうか?
サンコウチョウも以前はこのあたりにもいたが、現在はいません。
 サンコウチョウがいることをインターネットで知ると大勢の人が押しかけて来るからでしょう。
〈鳥の巣について〉
 スズメはカラスが怖いので、人家に巣をつくます。
 小鳥は(植木手入れなどで)巣が露見すると、巣を放棄するので、そっとしておいてあげましょう。巣作りを放棄することがよくある。中には、巣がよく見えるようにと枝を切ったりするとんでもない人たちがいますね。

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Q&A

Q=ドラミングだけでアオゲラとわかるのですか。
A=キツツキは囀りのかわりにドラミングがそれぞれの種に特徴的。
 アオゲラはドラミングで木から虫を追い出して食べる。舌がうんと長い。
Q=鳥の死体をあまり見ない、とくにカラスの死体は見ない。
A=鳥は自然死は少なく、弱ると食べられてしまう。
 鳥の死体を見たが何日かするとほとんどわからなくなってしまった。
 動物園には長生きするものがある。
 スズメの寿命は数年だが、クレア・キップスという人が拾ったスズメの雛は12年も生きて、いろいろの芸をやった(「ある小さなスズメの記録」より)。
 カラスは10年以上生きるが、親になる前に死ぬものが多い。
 小鳥は巣立ちするまでに多く死んでしまう。
 東日本大震災の津波でミッドウエイの鳥の営巣地がやられた。
 60年生きたアホウドリが見られなくなったが、しばらくしてまた現れたという情報がある。
その他=参加者からの情報
 薬師池で絵を描きながら餌をやる人がいて、その人のそばにはスズメがたくさんいる。しかし、他の人が餌をやっても近づくとすぐ逃げる。スズメも個体認識をしている。


以上