昆虫観察会の報告


日時
2008年8月23日(土) 午前9時30分
集合場所 奈良上自治会館
参加人員 約35名
講師 松香光夫先生(玉川大学)、市川直子先生(玉川大学)
司会・進行 山田美那子さん
フィールド はらっぱ広場
配付・回覧資料 (1) 里山公園で4年間に観察された昆虫リスト抜粋


観察会スタート

10時ちょっと過ぎから、奈良上自治会館屋内にて観察会スタート。
はじめに、奈良川源流域を守る会 山田会長と広報担当 鎮目さんから、当地が環境省 モニタリングサイト1000の調査地として選出されたことの報告と、モニタリングサイト1000とはなにかについて簡単な説明がありました。

くわしい説明は、モニタリングサイト1000のホームページ をご覧下さい。



続いて本日の昆虫観察会について、松香先生から配付された資料を使いながら次のようなお話がありました。

この資料には、この辺りの公園や原っぱでよく見られる虫が書いてあります。
どんな虫がいそうかあたりをつけて観察してみるとよいでしょう。
捕虫網の代表的な使い方としては、草を横にすくうようにするスィーピング、上から叩くようにするビーティングがあります。
今日は少し寒いので、虫は少ないかもしれないです。



雨が降りそうな天気ということもあり、早速フィールドに出掛けました。


フィールドでの活動

10:10〜11:10の1時間ほどフィールドで活動しました。
ときどき小雨の混じるあいにくの天気でしたが、子供達は元気に虫採りに励んでいます。









今日の成果など

先生といっしょに今日の成果などのお話をしました。



どんな虫が採れたかな?
毎回のことですが、子供達の虫籠にはいろんな虫がわんさか入っています。バッタ、カマキリ、トンボ、チョウ、などなど。
特に蝶に注目してみますと、こんな種類が採集できました。(記者が自宅持ち帰りの上で同定しました)
ベニシジミ、モンキチョウ、ツマグロヒョウモン、クロアゲハ、ヒメウラナミジャノメ、イチモンジセセリ、キマダラセセリ、ツバメシジミ
昆虫採集の道具のこと
標本として用いる場合は採集後すぐに保管のための処理をします。具体的には(かわいそうですが)すぐに殺して、翅などが壊れないように特別の容れ物にしまいます。
毒瓶(殺虫管)と三角紙が子供達に紹介されました。みんなちょっと恐そうでした。

虫の声
奈良川源流域を守る会 渡辺さんから、奈良地区で録音した鳴く虫の声の紹介がありました。
いろいろな虫の声を聞くことができました。(あまりの多さに同定できず...)

参加者から松香先生に質問



この辺りにいるセミのうち、クマゼミはどのぐらいの割合でいるのですか?
クマゼミは元々は九州・四国にいた種で年々棲息域が北上しています。横浜でも今ではごく普通に観察できるセミとなっています。割合についてはちょっとわかりません。ちなみに、クマゼミは本州のセミとしては体長が最大です。

セミの種類によってとまる木や高さなどに違いはあるのですか?
種類によって木の好みはあるようです。とまる高さには特に違いはないと思います。セミの気持はよくわかりません(笑)。

食べられる虫にはどんなものがありますか?
おいしいかどうかを別にすればほとんどの虫は食べられるんではないでしょうか。
イナゴ、ハチノコ(クロスズメバチ)、ザザムシなどは有名ですね。
日本では長野とかあの辺の人達が虫好きのようです。虫専門のレストランもあると聞いたことがあります。
外国でも虫を食べますよ。例えばタイではカメムシなどを食べるそうです。タイの人達は臭いカメムシほどありがたがって食べるとのことです。

庭にアシナガバチの巣があるのですが、危険ですか?
ハチの毒は体質によっては危険です。刺されると急激に血圧が下がる人がいて、気を失ったり、時には死ぬこともあります。
日本では年間30人程度がハチに刺されて死んでいるそうです。林業関係者は、ハチに刺された時の血圧低下に備えてアドレナリン注射を携帯しているそうです。
ハチ刺されによる死亡事故のほとんどがスズメバチによるものですが、アシナガバチでも気を失うぐらいのことはあるかもしれません。

女郎蜘蛛が獲物を糸でぐるぐる巻きにしている所を目撃しました。大量の糸で一気に包む素早さに驚きました。一度にどのぐらいの数の糸がおしりから出てきているのですか?
巣を作る時は1本に撚り込んでいます。獲物を捕らえる時は何本かに分かれて出ていると思いますが、わかりません。


この他、虫にまつわる雑多な話題についても、楽しくお話いただきました。
12:00頃 観察会を終了いたしました。参加いただいた皆様、お疲れ様でした。

(了)